NKSJひまわり生命「健康のお守り」は契約してもよい保険か?比較検討すべきライバル商品は?

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 NKSJひまわり生命の「健康のお守り」は、2008年8月から発売されている終身医療保険で、2013年4月現在で100万件を越えるヒット商品となっている医療保険だ。この医療保険の特徴を解説すると、以下のようなことが挙げられるだろう。

・基本保障がシンプルでわかりやすい

この保険の特徴として、まず一つ目に挙げられるのが、保障がシンプルでわかりやすいということだ。

基本的には、病気やけがで入院したときと、手術したときに、それぞれの給付金(疾病入院給付金・災害入院給付金・手術給付金(または、手術見舞金))が支払われるという、比較的だれにでもわかりやすい医療保険だ。

ウェブサイトもわかりやすくつくりられていて、基本となる主契約などの説明がわかりやすく記載されている。また、パンフレットはもっと面白いつくりになっていてマスコットのキャラクターが登場し、一般の人にわかりやすい言葉でこの保険の説明がされている。

このへんのところは好印象である。保険も証券も、または銀行も、昔からの古い体質を持った堅い企業が多いだけに、商品も堅くわかりにくいものも多い中、この保険は、それを感じさせないところが親切だと思う。

・基本的な保障内容がしっかりしている

上では、この保険がシンプルであることに触れたが、シンプルだからといって保障内容を削っているかというとそうではない。
保障はとても充実している。

最近では、入院といっても一泊もしない日帰り入院が増えていて、それらの場合、今までの一般的な入院保険では給付金も支払われないことも多かったが、この「健康のお守り」は日帰り入院をも保障している。

また、健康保険の適用されない先進医療についても技術料を1,000万円まで保障している。(医療(08)用先進医療特約)

その他にも、オプションと呼んでいる各種の特約の付加により、保険料は高くなるものの保障を充実させることも可能だ。特徴的なオプション(特約)を挙げると、

「だんだん割(医療(08)用無事故割引特約)」

この特約は、一定条件のもと、5年ごとに保険料が10%ずつ割引となり、最大保険料が50%割引になるというものだ。

私もある程度の年数、保険や金融の分野にアンテナを張って見ているが、損害保険でない生命保険で、このような自動車保険のような無事故割引を見たのははじめてだ。「事故って何?入院は事故?」と一瞬わからなくなるが、正しくは保険事故となるだろうから、間違ってはいない。しかし、何も知らない人にとっては、自動車の事故のようなイメージを持つだろう。思わず特約名には突っ込みたくなるが、特約の内容としては純粋に面白いと思う。

多くの人が知っている通り、NKSJ ひまわり生命保険は、損保ジャパンや日本興亜損保を有するNKSJホールディングスの一つのグループ企業だ。そのため、こんな自動車保険の特約名のような名前になったのであろうか?

しかしこれには注意点もある。

まず一つ目として、この「だんだん割」を付けることで保険料が大きく値上がりするということだ。

男性の保険料を試算してみると、例えば、30歳男性、保険料月払の終身払、入院給付金日額5000円の場合を例にとると、基本パターンが1730円であるのに対して、「だんだん割」を付加した契約の場合、2246円と約500円の差がでてしまう。

もちろん年齢によって異なるものの、基本パターンの保険料に対して20%~30%保険料が割高であるイメージだ。

そんな対価を支払っても保険料は、しかも10%ずつしか割引にならない。最大の割引である50%割引にまで到達するまでは、25年かかる計算だ。先ほどの30歳の例で考えると、30歳の25年後は55歳だ。保険料が値上がりしても付ける価値があるオプション(特約)がよく考える必要があるだろう。

私は仕組みとしては面白いと考えるが、必要かというと、必要ではないと私自身は考えるかもしれない。

がん外来治療給付特約

がん治療を目的として入院を伴わない医師の治療処置を伴う外来治療を通院や往診で受けたとき、年間120日を限度として、通算は無制限で「がん外来治療給付金」を受け取ることができる特約だ。最近ではがんであっても、入院しないことも増えているため、こういった特約も有効だろうと思う。

「三大疾病保険料免除(医療(08)用特定疾病診断保険料免除特約)」

特定疾病(がん(悪性新生物) ・急性心筋梗塞・脳卒中)によって所定の状態となった場合に、その後の保険料の払い込みが免除されるというものだ。よくある疾病に対して、保険料の支払いの不安を解消するという目的では有効な特約であると思う。

しかし、注意が必要な点として、急性心筋梗塞と脳卒中の場合、所定の状態が60日以上継続しないと保険料の払込免除とならない点である。そういったことを考えると、無理に付加する必要のない特約であるかもしれない。

この保険の保障を設計する上でのオススメは、保険料払い込みの期間を終身とせず60歳満了とすることだ。この保険は、一生涯を保障する終身医療保険であるが、保険料についてももちろん一生払うという手もあるが一生分の保険料60歳までに払い込んでしまうという方法もある。それが保険料払込期間で60歳満了というものだ。

終身にわたって保険料を一生涯で払うよりも、60歳までで保険料の支払いを終えてしまう方が、保険料が高くなってしまう。しかし、収入が途絶えてしまう60歳に保険料の心配をしなくてすむというのがこの支払い方法のメリットだ。

また、比較したいライバル商品はというと、以下のような商品がある。「健康のお守り」を検討する際は、必ず他の商品も比較検討した方が良いだろう。

1. オリックス生命 CURE(キュア)

最大のライバルはオリックス生命保険のCURE(キュア)だ。

オリックス生命のキュアは、7大生活習慣病の場合に保障が手厚くなるなどのメリットを持ちつつ、保険料も割安な終身医療保険だ。

2.メディケア生命のメディフィットA(エース )

このメディケア生命のメディフィットA(エース)は、がんにかかわる特約が充実していて、がんに強い終身医療保険だ。がんに興味関心が強い人は必ず比較しておくべきだろう。

3.アフラックの新EVER

アフラックの終身医療保険で、こういった医療保険の中ではスタンダードな商品だ。各保険会社がベンチマークとするような商品で、比較の対象としては面白いかもしれない。

健康のお守りも含めて上記の3商品、あわせて4商品をしっかりと比較検討すればそれほど間違った商品選びにはならないだろうと思う。