安い医療保険?SBI生命の終身医療保険「も。」はおすすめできる医療保険か?

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在宅医療までを初めてカバーする終身医療保険

2016年2月1日から発売されたSBI生命の終身医療保険(無解約返戻金型)「も。」は、入院・手術、通院、先進医療に加えて在宅医療までを一生涯にわたってカバーする終身医療保険だ。

面白いペットネームだが、在宅医療「も。」ということでこういうネーミングになっているのだろう。

こういった保険が開発された背景には、超高齢化社会に伴う全国の(特に都市部の)病院の病床数の不足がこれからますます問題となってくる中で、病院に長期間の入院が困難となり在宅医療にシフトすることを見越しているということがあるようだ。

その証拠に、年々病院に入院する入院期間は、厚生労働省の統計を見ていると年々日数が少なくなっている。

支払われる給付金

支払われる給付金の種類は、以下の通りだ。

終身医療保険(無解約返戻金型)

  • 疾病入院給付金・・・被保険者が疾病の治療目的として入院したときに支払われる給付金
  • 災害入院給付金・・・被保険者が不慮の事故による傷害の治療を目的として入院したときに支払われる給付金
  • 手術・放射線治療給付金・・・被保険者が疾病や傷害の治療を目的として手術または放射線治療を受けたときに支払われる給付金

終身通院特約(無解約返戻金型)

  • 疾病通院給付金・・・被保険者が疾病入院給付金の支払われる入院後に入院原因となった疾病によりその入院の退院日翌日から120日以内に通院したとき
  • 災害通院給付金・・・被保険者が災害入院給付金の支払われる入院後に入院原因となった傷害によりその入院の退院日翌日から120日以内に通院したときに支払われる給付金

終身在宅医療特約(無解約返戻金型)

  • 在宅医療給付金・・・被保険者が入院給付金の支払い対象となる入院の退院後に、当該入院の原因と同一の原因により、公的医療保険制度を利用して、在宅医療を受けたときに支払われる給付金

【注意すべき点】

※この特約には注意すべき点もあるので確認しておこう。

  • 往診については給付金支払いに該当しないこと。
  • 70歳以上で在宅医療を受けたときは、在宅医療給付金が50%に減額されること。
  • 歯科治療の在宅医療は対象となっていないこと。
  • 給付金の支払い限度が、特約の保険期間を通算して36ヶ月となること。
  • 医師が通院が困難であると判断しないときは給付金支払いの対象外となること。

先進医療特約(無解約返戻金型)

  • 先進医療給付金・・・被保険者が疾病または傷害の治療を目的としてその時点で厚生労働省が定める先進医療による療養を受けたときに支払われる給付金

【注意すべき点】

※この特約には注意すべき点もあるので確認しておこう。

  • この特約のみ終身ではないこと(保健期間10年・自動更新)。

メリットはそれほど多くない?

保険料の安い医療保険であるし、保障内容についても在宅医療まで保障していて手厚いように見えるが、そうでもないように思える。

特に終身在宅医療特約(無解約返戻金型)や先進医療特約(無解約返戻金型)については、給付金支払い上の制限が多く、実際に自分の場合で支払われるかどうかという点では疑問が多い。

終身在宅医療特約(無解約返戻金型)が70歳を境に支払い条件が変わってしまったり、先進医療特約は終身ではなく更新の必要な定期型であったりと見えないところで条件を悪くしているように感じられる。

また、この医療保険は、ティーペックのサービスが付いていない。

基本、私は、ある程度の貯蓄がある人は医療保険は不要だと思っているが、しかし、それでも医療保険を契約する意味があるかというと、数少ない理由の1つとしてティーペックがあげられるだろう。

そういったことから、多くのメリットを感じづらいし、それならば商品性がもっとシンプルで、ティーペックが付帯する他社の終身医療保険のほうが興味をひかれる場合も多いだろう。

おすすめできるかと問われると少し難しい感じのする医療保険だ。