発達障害などの障害者と生命保険 ぜんち共済の「ぜんちのあんしん保険」について考える

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発達障害や知的障害などの障害者と生命保険

障害を持たない健康な人でも、また障害を持つ障害者であっても保険が必要な事には変わりがないことだ。

保険の必要度合いについては、障害を持つ人の方がケガや病気、賠償のリスクが、持つ障害の度合いに応じて高くなるため、必要度合いは高くなるだろう。

しかし、日本の保険会社の商品の多くは障害者のリスクには対応しておらず、契約することさえできないのが現状だ。

これ(現状必要性の薄い多数の健康な人のみを保険に契約させて、本当に必要とする保障(補償)リスクの高い少数の人が保険に加入できないということ)は、現状の生命保険制度の致命的な欠陥でもあるように思える。

逆をかえすと、リスクの高い、または少数の障害を持つ人を保障(補償)していく事は、保険会社(共済・少額短期保険会社など)にとっても非常に、リスク管理や収益化の面で難しいことであるとも言えるだろう。

障害者特有のリスクとは何か?

さて、障害を持つ人と持たない人では保険におけるリスクではどのような点がことなってくるのだろうか?障害者特有のリスクとは何だろうか?

それについては、ぜんち共済株式会社発行のレポート「障がいのある方のリスクへの備え「ぜんちのあんしん保険」保険金支払の分析結果から」がとてもよく分析し、まとめられている。もちろん、障害者の障害の程度によって異なるが、全体的な傾向について、レポートにまとめられていることから以下のようなことがあるだろう。

  • 障害を持つ人は持たない人に比べて病気リスクが年齢問わず高めになる。
  • 障害を持たない人と比較してケガリスクよりも個人賠償リスクの方が高くなる。加えて、賠償額は低い場合が多いものの事案の発生件数が多くなる。同じ事案を繰り返すリスクも高い。
  • 障害者独特の被害事故に遭遇するリスクがある。

レポートには、障害者の保障(補償)リスクについて実情が記載されている。興味のある方は一度目を通してみるとよいだろう。

・ぜんち共済株式会社発行のレポート
障がいのある方のリスクへの備え「ぜんちのあんしん保険」保険金支払の分析結果から

障害を持つ人のリスクに対応する数少ない少額短期健康総合保険、ぜんち共済株式会社の「ぜんちのあんしん保険」

その難しい問題等をクリアーしながら保険(少額短期保険)商品開発に挑み、少額短期保険として提供しているのがぜんち共済だ。

ぜんち共済は平成12年に発足された「全国知的障害者共済会」を前身とする組織で、主に知的障がい・発達障がいのある人特有の様々なリスクとニーズを考慮した、「安心した生活」をもたらすことのできる商品設計を行うことを目的とした少額短期保険会社だ。

そのぜんち共済が販売するのが「ぜんちのあんしん保険」だ。

内容については、知的障がいや発達障がい、自閉症、ダウン症などの方が安心した生活をするために加入する「基本保障保険」となっており、生命保険と損害保険の両方の保障(補償)を備える。

カバーできる保障(補償)の範囲が広いのが特徴だ。
以下では簡単にメリットとデメリットについて考えてみよう。まずはメリットからだ。

「ぜんちのあんしん保険」のメリット

メリット1 商品性もシンプルでわかりやすいものの、保障(補償)は非常に幅広い

まず1つめのメリットは、商品性もシンプルでわかりやすいものの、保障(補償)は非常に幅広いことがあるだろう。保障(補償)される範囲は以下のように幅広い。

この「ぜんちのあんしん保険」は、生命保険と損害保険がミックスされたような商品で、生命保険会社ではできないような、少額短期保険会社ならではの商品と言える。

通常複雑になりがちな商品性をシンプルにしている点は高く評価できるだろう。

※保険金が支払われない場合等は、契約概要と注意喚起情報にて必ずご確認ください。

死亡保険金

病気やケガで保険期間中に死亡したとき

特定重度障害保険金

不慮の事故によってケガをして、事故の日より180日以内に所定の特定重度障害状態になったとき

入院保険金

病気やケガで1泊2日以上の入院をしたとき、または「てんかん」で1泊2日以上の入院をしたとき

入院一時金

病気やケガで1泊2日以上の入院をし、保険金の請求をしたとき

手術保険金

病気やケガで1泊2日以上の入院を伴う公的の手術を受けたとき

※ただし、「てんかん 」の場合は責任開始日から30日間は入院保険金は支払われない。

傷害通院保険金

不慮の事故によってケガをして、その治療のために事故の日より180日以内に通院を開始したとき

権利擁護費用保険金

所定の被害事故が生じたときの法律相談費用、弁護士委任費用、接見費用

個人賠償責任保険金

日常生活において他人に対して法律上の賠償責任を負ったとき

また、告知も医師の診査も不要な点や保険料についても全年齢において一定である点も、この保険の商品性を分かりやすいものにしているし、加入者のメリットにもつながっている。

メリット2 障害者の実情とニーズにあった「個人賠償責任補償」

「ぜんちのあんしん保険」に加入する上で最大のメリットといえば、この保険の個人賠償責任補償についてだろう。

通常の個人賠償責任保険といえば、補償額の高額さが売りになっているが、この「ぜんちのあんしん保険」の場合、支払い回数に制限がないことが売りとなっている。

補償額は1,000万円が上限となっていて通常の個人賠償責任保険と比べて補償金額が抑えられているが、原則として支払い回数には制限がないのがメリットとなっている。(※一事故および、年間の保険金支払額は1,000万円が上限となる点には注意が必要だ。)

それは、障害者の実情(一般的に障害者の個人賠償責任保険の使用実情は金額は少ない物の回数が多いこと)に補償内容をあわせるための保険商品設計となっている。個人賠償責任保険等に加入していない場合等はこの保険に加入する価値はあるだろう。

メリット3 障害者の実情ニーズにあった「権利擁護費用保険金」

また、もう一つの大きなメリットとして、「権利擁護費用保険金」 の存在があるだろう。

「権利擁護費用保険金」とは、所定の被害事故が生じたときの法律相談費用、弁護士委任費用、接見費用を補償するもので、所定の被害事故は以下のように範囲がなっている。

  • 身体の傷害または疾病
  • 財物の損壊
  • 虐待
  • 消費者被害
  • 雇用現場での障害者差別
    ((イ)障害者であることを理由として不当な差別的取り扱いを受けたこと(ロ)障害者に対する合理的配慮の提供がなされていないこと)

簡単に考えると障害者の実情ニーズにあった弁護士費用特約のようなもので、実際に使うかというと、使用する可能性自体はとても低いものの、保険に加入しておくことの安心感という意味ではとても心強いものがある。「権利擁護費用保険金」にしても、また「個人賠償責任保険金」にしても障害を持つ人の実情に合わせた保険金が支払われる事がこの保険の最大のメリットとなっている。

つづいて、「ぜんちのあんしん保険」のデメリットについてふれておこう。

「ぜんちのあんしん保険」のデメリット

デメリット1 少額短期保険会社の保険商品の保険料は所得控除の対象とはならないこと

この「ぜんちのあんしん保険」については、商品自体に大きなデメリットはないと言える。

全体的に保障(補償)のバランスがとても優れていて、本当に障害がある方の実情をしっかりと分析した上で保障(補償)が設計されていると言えるだろう。

デメリットがあるとすると、重箱の隅をつつくようだが、「少額短期保険会社の保険商品の保険料は所得控除の対象とはならないこと」ぐらいしかない。

しかもこのデメリットは、この商品特有のデメリットではなく、少額短期保険であればどれも同じデメリットであるため、心配はない。

「ぜんちのあんしん保険」は加入すべき保険(少額短期保険)か?

最後に、この「ぜんちのあんしん保険」について、加入すべき保険かどうかについて考えてみよう。

全体的に良く出来た保険であるものの、全体的に保障(補償)額は低めに設定されているため、貯蓄がある程度あるような場合で、かつ個人賠償責任保険が不要であるような場合は加入の判断に悩むところだろう。

死亡保険金なども加入期間中に死亡した場合のみ支払われるため、加入年齢の上限(64歳または74歳でプランによって異なる)を超えてしまったような場合は、保障(補償)全て掛け捨てになってしまう。

また、実際のところ権利擁護費用保険金(弁護士委任費用等)についても使う場合は限られてくるのではないだろうか。

こういった保険は支払い事由等に該当しお世話になることは可能性としてあったとしても、必ずお世話になるとは限らないところがある。その場合保険料がムダになってしまうので悩むところだろう。

そのようなことから貯蓄がある程度あって、個人賠償責任保険金や権利擁護費用保険金に何らかの魅力を感じないようであれば無理に加入する必要はないだおろう。

しかし、逆にそれらの不安がこの保険によって解消すると考えるならばそのような人は加入すべきだろう。

特に、貯蓄が少なく、そういったリスクに漠然とした不安を抱えている人にとっては、この保険は安心感を与えてくれるものとなるだろう。

加入を考える人はどのプランを選ぶとよいか?

プランごとの大きな違いは死亡保険金や入院保険金などの「万一のとき」と「病気・ケガのとき」の保障額の違いだ。

私の場合は、それほどこの保障部分については重視していない。

特にこの保険における最大の特色であるトラブルのときの補償(権利擁護費用保険金・個人賠償責任保険)のはプランごとの変わりはない。

そういったことから、最低限の保険料で効率よく備える事ができるリーズナブルなA-1プランがおすすめだ。

できるだけ保険は最小限にして家計の出費を抑えて、それを貯蓄に回すという原則はここでも変わりがないだろう。




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