先進医療と臓器移植に特化した先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)の商品性を評価する(メリット・デメリットなど)

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ワンコインで先進医療と臓器移植に備えるインターネット専用保険商品「リンククロスコインズ(Linkx coins)」

インターネット専用の保険商品ではあるものの、昨年の2016年9月より損保ジャパン日本興亜ひまわり生命から興味深い保険商品が販売されている。

ワンコイン(500円)で先進医療と臓器移植に備えられるとうたうインターネット専用医療保険商品「リンククロスコインズ(Linkx coins)」だ。

英語名でイメージが付きにくい商品名といい、ワンコインで経済的に負担の大きくなりがちな先進医療と臓器移植に備えることもできるという保障内容といい、何か今までにない新しさのようなものを感じる保険だ。

今回はこの損保ジャパン日本興亜ひまわり生命からインターネット専用商品として販売されている先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」について少し考えてみよう。

先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」とは?

まず、先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」とはどのような医療保険なのだろうか?商品性にから考えてみよう。

先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」正式名称を「臓器移植医療給付金付先進医療保険」という。

ちなみに「リンククロスコインズ(Linkx coins)」はペットネームだ。

基本的な仕組みは、先進医療に備える先進医療保険がベースとなりながら、それに臓器移植に備える仕組み(臓器移植医療給付金)を加えたものだ。

先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」のメリット

次に、先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」のメリットについて考えてみよう。

メリット1 単純明快な商品性

この保険の最大のメリットは、この単純明快な商品性にあるだろう。

備える目的は、先進医療と臓器移植ではっきりしているし、性別・年齢にかかわらず同じ保険料(2017年1月現在 500円)で毎年更新、支払われる保険金(給付金・一時金)は3つのみ(先進医療給付金・先進医療一時金・臓器移植医療給付金)とあまりにも単純明快な商品内容となっている。

これだったら多くの人にもわかりやすいはずだ。

本来、保険(保険にとどまらず金融商品全般についてもいえるが)商品とはこうあるべきで、そういった理想を具現化したような保険商品だろうと思う。

メリット2 比較的割安といえるワンコインの保険料「500円」

「医療保険は基本ある程度の貯蓄がある人にとっては不要だ。」
このブログサイトでは機会があればこのように書いてきた。

確かにこの考えについてはいまだに変えていない。

ただし、通常の入院等とは異なり、経済的負担が大きくなりがちな先進医療等については、可能であれば医療保険を使って備えておいた方がよいだろうとも思っている。

しかし、一般的に先進医療等に備えるためには、不要な医療保険の部分も主契約として契約して、特約として先進医療に備えるという考え方が一般的であったため、先進医療等だけに特化して備えることは難しかった。

無駄な医療保険に入らずに、先進医療等だけに特化して、安い保険料で備えられるという点、この先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」の大きなメリットだろう。

一律500円という誰にでもわかりやすい低価格で保険商品を提供している点がとても評価できることだ。

もちろん、今後については、保険の契約者全体の状況が悪化したり、保険の収益が予測通りにならないような場合には保険料が値上げされる可能性は否定できない。

約款にも、更新後の保険料については更新時の保険料率が適用される旨が以下のように記載されている。

主契約(「臓器移植医療給付金付先進医療保険」)約款の第18条(保険契約の自動更新) 抜粋

4 更新後の保険契約には、更新時の普通保険約款および保険料率が適用されます。

もちろんどこにも保険料は値上がりしませんとは書いていない。

先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」のデメリット

次に、先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」のデメリットについて考えてみよう。

デメリット1 商品性のよさが伝わらない名前・ペットネーム(リンククロスコインズ(Linkx coins))

実際にこの保険にデメリットがあるかというとほとんどないと思う。(強いて言うならば、早期移植の給付金が少し安くて実際の移植では足りなくなる可能性が高いぐらいだろうか…)

保険料も安い(純粋に他の医療保険の先進医療特約保険料と比較すると割高になるかもしれないが…)し、仕組みもシンプルだ。

もちろん全ての人に同じように勧められる保険商品ではないが、一般的な医療保険が不要で先進医療等だけに備えておきたいような人には最適でよい保険商品だ。

しかし、あえてこの保険のデメリットをあげる(あら探しをする)とすると、この商品の名前(ペットネーム)があるだろう。

ペットネームである「リンククロスコインズ(Linkx coins)」なんとなくはややこしく、難しいイメージを与えるような商品名だ。

商品性は本当にシンプルでわかりやすいのに残念なことだ。

どのような人に向いて、そのような人には向かない保険か?

はたしてこの保険は、どのような人に必要なのだろうか?

この保険が向く人「貯蓄が十分で医療保険に契約する必要のない人」

まず、この保険が向く人として、「貯蓄が十分で医療保険に契約する必要のない人」というのがあるだろう。

上でも書いたが、これまでは先進医療等に備えるためには、不要な医療保険の部分も主契約として契約して、特約として先進医療に備えるという考え方が一般的であったため、先進医療等だけに特化して備えることは難しいというところがあった。

そのため、十分な貯蓄があって医療保険が不要な人にとっては、無駄な医療保険に入らずに、先進医療等だけに特化して、安い保険料で備えられるということもなかなかできることではなかった。

それがこの先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」では可能になったのだ。

この保険が向かない人「貯蓄がなく医療保険を契約する必要のある人」

次にこの保険が向かない人についても考えてみよう。

この保険が向かない人は、「貯蓄が現在なく、ちゃんとした医療保険を契約する必要のある人」だ。

そのような人にとっては、ちゃんとした医療保険本体を契約し、先進医療特約やT-Pecなどの付帯した安くてフルスペックの医療保険を契約した方が保障を割安に準備できるだろう。

月々500円の保険料をどう考えるか?

この500円という保険料であるが、はたしてこの保険料は安いのだろうか?

月々で500円であるものの、年間だと6千円、10年間で6万円、30年間で18万円となるだろう。

もちろん、万一にも先進医療が必要な状態になってしまった場合は支払った保険料以上の元は取れるだろう。

また、万一臓器移植が必要となってしまった場合には、1,000万円が臓器移植医療給付金として支払われるためその場合にも元を取ることが可能だろう。

問題は、先進医療が必要となるような状態、または臓器移植に至ってはなおさらのことそうなるリスクはそれほど高くない・保険金としてそれらを受け取れる可能性は低いということがあることだ。

この保険はある意味自分の健康にお金をかける博打のようなものだ。

万一自分の身体が悪くなった場合には儲かる(しかし、多くの場合には無駄になる)博打だ。

月々で500円、年間だと6千円、10年間で6万円、30年間で18万円、これらの金額がそれぞれの期間に対して安く感じるならば契約してもよいし、とても高く感じるようであれば契約することはできないだろう。

私の場合は、保険料を支払う余裕が少しあるならば、また他の医療保険に加入する必要がないような人にはこのような保険に単体で契約することはそれほど悪いことではないようにも思える。

臓器移植に備える必要性はあるか?

この保険を契約するにあたっては、主な契約目的は先進医療に備えることとなるだろう。

臓器移植医療給付金が給付されるようなこと(臓器移植が必要となるリスクや可能性)は、それほど大きいものではないので、可能性が低いことを考えると臓器移植に対する保障はおまけ程度に考えておくのでよいと思う。

保険を契約するおおくの人はお世話になることはないはずだ(しかしゼロでもないはずだ)。

契約する上での注意点

最後に、この先進医療保険「リンククロスコインズ(Linkx coins)」を契約するにあたって注意すべき点についても触れておこう。

この保険商品自体はとてもシンプルでわかりやすいものだ。

ただ、先進医療や臓器移植を保険金支払いの対象とするだけに、どのような時に保険料が支払われて、どのような時に保険金が支払われないのかしっかり事前に知っておいた方がよいだろう。

契約前には必ず「契約概要・注意喚起情報・ご契約のしおり・約款」の該当箇所(保障内容等)を確認してから契約するようにしたい。

新しい保険商品の開発にチャレンジする損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の姿勢を高く評価したい

今までになかったような理想の保険商品を作り出そうとしている損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のチャレンジ精神はとても評価すべきだと思う。

多くの保険会社は自社の新商品がいかに画期的かを盛んにCMで宣伝するが、そのような商品ほど画期的である可能性は限りなく低い。

過去の繰り返しであったり、何かをちょっと付け足して画期的に見せているだけであったり、そのような戦略は素人であってもすぐにわかることだ。

今回の商品は、盛んにCMもしていない(おそらくできないのだろう)が保険商品としては画期的なものの部類に入るものだろう。

この商品自体は、おそらくあまり儲からないし、インターネット専用商品のため、爆発的にヒットも狙いにくい商品だ。

なんたって契約1件でも月500円、年間でも6000円足らずだ。
相当に契約件数を積み上げなければ儲けは出ない商品だ。

保険料が安くコミッションも払えないので人手(営業職員)で営業して拡販することも難しい。(だからインターネット専用商品なのだ。)

でもこのような儲からない商品を愚直に開発している損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のチャレンジ精神は評価されるべきだ。

これからの同ブランドでの他の商品展開にも注目する必要があるだろう。

上でも書いたが、Linkx(リンククロス)というブランド自体が名前がイメージが付きにくく難解なイメージを与えてしまっている。

画期的で、シンプルで、役に立つものと誰でもイメージできるような名前で、親しみやすい名前にすればよかったのにと、その点だけが実に残念なところだ。