この記事の内容
投資信託を選ぶのは難しい?
初めて余裕資金を運用したい。そんな時に最も手軽で、コストも程々で(商品によりけりだが)、最も役に立つのが投資信託だろうと思う。
また、最近では、NISAや確定拠出年金、変額個人年金保険の契約や検討をきっかけとして投資信託に興味を持つ人、投資信託の初心者もいるだろう。
しかし、投資信託は初めて購入する場合などは、どのようにして投資信託を選んでよいかわからない人がほとんどだと思う。ここでは、なるべく簡単に投資信託を選ぶ方法と、選ぶにあたっての注意点について少し考えてみよう。
投資信託の選び方
選び方1 運用レポートを見る
投資信託の選び方で最も簡単で手早く行えるのが、投資信託の運用レポートを読むことだ。
運用レポートは、投資信託運用会社のホームページに行けば必ず掲示されているもので、投資信託に関わるほとんどの事項をコンパクトに要約してまとめているものだ。
新規設定の投資信託であれば、まだレポートが作成されていない場合もあるが、そうでない限り必ず作成されている。逆に運用レポートが作成されていない新規設定の投資信託などはできるだけ避けるべきだと思う。
運用レポートには月次レポートや半期に一度交付される運用報告書などがあるだろう。ここで、参考にしたいのが月次レポートだ。月次レポートでは以下のような箇所を参考にするとよいだろう。
運用レポートを見る時に確認したいこと
- 基準価額の推移
上昇基調なのか?下落基調なのか?(利益がでそうか見る)どれくらいの範囲内で価額が推移しているか?(価格のぶれ幅を見てどれくらいリスク・安定性・安全性がある商品かを見る)
- 純資産の推移
資産が増加傾向か?縮小傾向か?(人気があるのかを見る)
- 分配金推移
分配金があるのか?どのくらい分配金が出ているのか?(分配金の水準を見る)
- 資産内容
どのようなものに投資しているのか?投資配分は?(投資内容を見る)
- 組入上位銘柄
資産の大部分が何に投資されているのか?(投資傾向を見る)
- ファンドの特徴
どのような運用方針なのか?(投資方針を見る)
- リスク・費用
リスクは何があるのか?費用はどのくらいかかるのか?(リスクと費用を見る)
- 投資環境・運用方針の解説
現在の投資環境はどうなのか?今後の運用方針はどうなのか?
「投資信託運用会社が考える」投資環境を見る(あくまでも運用会社が考える投資環境であり正しいとは限らないことに注意が必要)
選び方2 目論見書を見る
投資信託の詳細を記載した書面で販売時などに交付される書面だ。しかし、記載されている内容などは運用レポートとさほど変わらず、運用レポートを部分的に詳しくしたような内容だろう。
中に記載されている各種のデータが発行タイミングによっては古くなっていることもあり、できる限り運用レポートを参考にした方がよいと個人的には思う。
投資信託の購入にあたっては、まず運用レポートで商品を選択し、いざ購入する際に目論見書を読み、気になる箇所を深掘りして読む程度でいいだろう。
選び方3 投資割合を考える
投資信託の購入を考えるにあたっては、「投資割合」についても非常に難しい問題だろうと思う。
投資初期については、いきなりリスクの高い株式系の投資信託に大部分の資産を投資するのではなくて、債券などを基本とした損失のリスクの小さいものに割合を多く投資すべきだろう。
そこから、徐々にリスクの高い株式投資信託などを増やすべきだ。
また、お金を大きく失うようなリスクをとりたくなければ、株式の割合は半分程度までにしておくのが簡単な目安だ。
大手の保険会社の運用割合なども見ていると、多くの場合、株式の割合は半分までのところが多いことに気づくだろう。
また、外貨資産についても、先ほどと同じように円貨資産との割合で半分までにしておくとよい。
さらにリスク対策を考えるのであれば、外貨資産の半分以上は、為替ヘッジ「あり」にしておくのがよいだろう。
選び方4 どこで買うか?を考える
最後に、投資信託に関して難しく感じるのが「どこで買うか?」という問題だろう。
一般的な証券会社や銀行なども投資信託商品というのは充実している場合が多いが、それら金融機関と比較すると、ネット証券などの方が、手数料の安い投資信託商品多数取りそろえられている。
投資信託の運用パフォーマンスにも大きく関わってくるため、手数料はなるべくかからない投資信託の方がよいのは確かなことで、そういった面からは、または利便性の面でもネット証券が優れていると言えるだろう。
気になる投資信託の月次運用レポートを集め、読み込むことからスタートしてみては
これから投資信託での運用をスタートしようとしている人にとって、何からスタートすればわからないという人も多いことだろう。
そのような人にとっては、まず気になる投資信託の月次運用レポートを集め、読み込んで見るとよい。
そして、集めたものの中から変動が少なく、少しずつ基準価額が上昇している投資信託を選び投資してみることだ。
そのような投資信託とは、多くの場合債券を投資対象とする投資信託だろうし、株式などの値動きが大きいものを投資対象とする投信などはもう少し後でスタートした方がよいだろう。
そして、勉強するに従って、株式投資信託などのリスクの高い投信も半分程度を限度として運用するとういう投資スタイルで多くの人の場合はよいはずだ。