安い?便利?au損保の「Bicycle」と「Bicycle Best」はおすすめできる自転車保険か?

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au損保の自転車向け保険「Bicycle」「Bicycle Best」

いま自転車がブームになっている。

ブームになればなるほど反面で脚光を浴びるのが自転車に乗る人のマナーや責任についてだろう。

自転車であっても万一歩行者に衝突し、生死に関わるような事故に遭遇した場合(もちろん生死にかかわらずとも)は、自動車と同様に当然のごとく重い責任を問われることも最近では周知されはじめている。

そのような中で関心を集めているのが自動車保険ならぬ「自転車保険」だ。

自動車保険と違い自転車保険というとどこの損保から販売されているかも知らない人も多いことだろう。しかし、とても身近なところ、携帯会社系損保(au損保)から発売されているのだ。

「Bicycle」「Bicycle Best」ともau損保の自転車向け保険で、主な特徴としては、「自転車に関わる事故により怪我の場合は支払いは保険金が2倍となる」ことや、「自転車ロードサービスで自転車事故や故障時に無料で自転車を搬送してくれる」ことなどがある。

また、上位商品である「Bicycle Best」は、補償範囲を拡大した商品で、交通事故や自転車搭乗中の事故に加え、日常の事故まで補償するのが特徴となっている。

個別の自転車保険を契約する意味は?

さて、なぜ自転車保険を契約する必要があるのだろうか?保険に詳しい人であれば自動車保険などに付加できる個人賠償責任補償特約などで対応できる場合も多いことを知っているだろう。

では、なぜ単体の自転車保険を契約するのだろうか?

その点では、以下のような場合や保険の付帯サービスに魅力を感じる場合などにこの保険を契約する意味が出てくるのだろう。

自転車ロードサービス

本格的に自転車を趣味とする人にとって一番魅力的に感じるだろう付帯サービスはこれ(自転車ロードサービス)だろう。

本格的な趣味として自転車をやる人は、1日に自動車並みの距離を走る場合も多く、ツーリング中のトラブルもそれなりに心配だろう。

au損保の自転車向け保険の場合、24時間365日対応で自転車が事故や故障などにより自走不能となった場合、自走付能となった場所が自宅から1キロメートルを超えていれば、50キロメートルまで無料で搬送してくれる(年4回まで利用可能)。

自転車ロードサービスの要請については、専用サービスデスクまたは、専用スマホアプリから要請することが可能となっている。

また、このサービスについては本格的に自転車を趣味としない人、例えば、子どもが学校への通学を自転車で毎日行っているような人にとってもメリットは大きいのではないだろうか。

示談代行サービス

自分が加害者となってしまった場合に、大変な被害者との示談交渉をau損保担当者に任せることができるというものだ。(被害者側がau損保担当者との示談交渉に同意する必要があるなど、示談交渉などを引き受けてくれない場合もある点は注意。)

自動車保険などに付加できる個人賠償責任補償特約にも示談代行のサービスが付いているものと付いていない物がある。

個人賠償責任保険(自動車保険等の特約含む)に加入しておらず、必要な期間・被保険者範囲で自転車保険に入りたい場合

個人賠償責任保険を契約していない場合はこういった専用保険を契約することになるだろう。

また、補償の対象者の範囲に合わせて3つのタイプ「本人タイプ」「家族タイプ」「本人・親族タイプ」が用意されており、家族が自転車を使わない場合等は、本人限定とすることなどで保険料負担を抑えることも可能だ。

「Bicycle」「Bicycle Best」のどちらが良いか?

保険料などを見ていると、やはり「Bicycle」で十分という印象だ。

「Bicycle Best」は、「Bicycle」の補償内容に加え、日常生活における事故や、スポーツ・レジャー中の事故まで保障する。言うなれば「Bicycle」のグレードアップ版のような保障だ。

はたして「Bicycle Best」のような幅広い保障が必要だろうか?それに対して私は否定的で、必要ないと考えている。

そもそも自転車の保険であるため、その目的を最大限重視すべきで、あとは家計を節約することを考えるべきだろう。

余計な補償あっても問題は無いかもしれないが、補償されていること自体を忘れやすく、万一忘れてしまえば単なるお金の無駄となってしまう。

保険料を見ていても、それなりに高額になっていて、改めてお金の無駄を感じさせるところがある。

3つのコース「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」は、どれを選べば良いか?

先に結論から書いてしまうと、「ブロンズ」で十分だろう。

「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」と、上のコースに行くに従って保障が充実してくる仕組みとなっている。

「ブロンズ」から「シルバー」にアップすることで、例えば、入院の際だけではなく、通院についても通院保険金を受け取れ、入院の際は入院一時金も受け取れるようになる。

また、「シルバー」から「ゴールド」にアップさせることで、法律相談費用や弁護士費用などにも対応できるようになるのだ。
例えば、「Bicycle」の家族タイプの保険料を例にしてみてみよう。

保険期間1年の1時払の場合の保険料で、「ブロンズ」9,660円、「シルバー」は1万6,100円、「ゴールド」2万2,740円となっている(2016年7月現在・出所:au損保Webサイト)。

そもそも自転車保険を契約する目的は、自転車で自分が加害者となってしまった場合で高額の賠償金もう支払う必要が出てきた場合に備えるものだ。

「ブロンズ」から「シルバー」に変更して、自分の怪我や入院に医療保険のように手厚く備える必要は多くの場合ないし、「シルバー」から「ゴールド」へ変更して、法律相談費用や弁護士費用などに備えるかというと、自動車保険ほどは必要性を強く感じないところがある。

そもそも「ゴールド」の保険料は、ベーシックとなる「ブロンズ」の保険料を2倍以上も上回っており、そこまで補償をあげてコストアップさせるかどうかという点では疑問となってしまうからである。

いかに補償をもれなく、しかし保険料は最小限に節約できるかということに注意して契約を考えるべきだろう。