保険料が戻ってくる!?「メディカル Kit R」(東京海上日動あんしん生命の医療保険)について考える

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面白い商品性を持つ東京海上日動あんしん生命の医療保険「メディカル Kit R」

2013年1月22日東京海上日動あんしん生命から、面白い商品性を持つ医療保険が登場した。
名前は「メディカルKit R」といい、使わなかった保険料が70歳になった時に全額戻ってくる医療保険だ。

まず、簡単に特徴を整理すると以下のようになる。

「メディカルKit R」の特徴

特徴①
70歳までに入院給付金などの受け取りがない場合は、払い込んだ保険料が全額健康還付給付金として戻ってくる。

特徴②
逆に入院給付金などの受け取りがあった場合で、受け取った入院給付金よりも払い込んだ保険料のほうが多い場合はその差額が、健康還付給付金として戻ってくる。

特徴③
70歳で健康還付給付金を受け取った後も、保険料は変わらず、保障も一生涯続く。

「メディカルKit R」の保険料

【保険料例(日額 5000円、1入院60日型、月払の契約の場合・記事作成日時点)】

30歳 男性2880円 女性3255円
40歳 男性4145円 女性4090円
50歳 男性5920円 女性5455円

「メディカルKit R」の付加できる特約

・5疾病就業不能特約
・3大疾病保障特約
・女性疾病保障特約
・がん診断特約
・抗がん剤治療特約
・先進医療特約

特徴としては、このような感じだ。

「メディカルKit R」は契約しても良い保険か?

この「メディカルKit R」であるが、契約してもよい保険だろうか?

確かに面白い特徴を持った保険ではあると思う。
しかし、契約にあたっては以下のポイントに注意しておくべきだろう。

ポイント1 実際は70歳まで払い続けられるか、または70歳以降も払い続けられるかわからない。

このメディカルKit Rについては、「無解約返戻金型」の商品ではあるが、途中解約時の解約返戻金は、「健康還付特則」部分に給金支払日前に限って解約返戻金がある。
しかし、途中解約の場合は支払ったお金が全て戻ってくるわけではなく、また特約については、解約返戻金もないことに注意する必要がある。

数十年間にわたって保険料を払い続けることとなるが、70歳まで保険料を支払い続けられるのか、よく考えたほうがよい。

そして、70歳になって保険料が返ってきたとしても、それで終わりではない。

保険料払込期間が終身の場合、そこからも一生涯保険料を払い続けることとなることもしっかりと考えておく必要があるだろう。

ポイント2 保険会社が70歳まであるかわからない。

今はどんな大きな会社であっても10年後に存在しているかわからない時代である。

もちろん保険会社は、とても長期の保険契約を続けられるように安定的な経営を行っているが、もちろん保証があるわけではない。

ポイント3 通常のメディカルKitよりも保険料は高いし、他の医療保険と比べても保険料は割高である。

そもそも解約返戻金のない医療保険に解約返戻金をつけた商品のため、その分保険料は割高だ。
70歳まで払い込んで、健康還付給付金を70歳で受け取ったらそこで保険を解約し、それを貯金に回すというのもできるかもしれないが、それも微妙だ。

まるで預貯金のようであるが、預貯金と明らかに異なる。

ポイント4 預貯金とは違って払い込んだ額しか帰ってこない。

つまり、70歳で受け取ったとしても、全く運用されることなくお金が戻ってくるということだ。
例えば、一定のお金を数十年にわたって運用した場合は、運用利回りや単利、複利によるが、元本を大きく上回るようになる。
この医療保険の仕組みはその運用で増えた分を保険料として使っているというところもあるだろうから、必ずしもデメリットとは言えない部分もある。

 

こういったことから必ずしもメリットばかりの保険でもないことに気づくはずだ。

これらの注意点を踏まえても魅力に感じる場合は契約してもよいと思う。

個人的には70歳になってからお金が返ってきてもしょうがないというところもあるので、Rではない普通のメディカル Kit、またその他の競争力の高い医療保険を一緒に比較検討すると思う。

とにかく契約前には、じっくりと比較・検討すべきであろう。